『マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋』に感じた「勿体無い」という気持ち
今日図書館で借りてきた本に、とある映画の話が出てきたのですが、気になったので実際に観てみました。
タイトルは『マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋』です。
出演者は、ナタリー・ポートマンとダスティン・ホフマンのダブル主演で、助演にジェイソン・ベイトマンというなかなかにキャスティングに気合の入った映画でした。
映像も綺麗でしたし、特に色使いに力を入れている印象で、非常に画面の彩りが豊かです。
つまり視覚的な印象はとても良かったのだけれども、残念ながら肝心の脚本が面白くなかったです。
面白くないというか、伏線を一杯チラつかせながら全然回収されなかったので、「結局あれはなんだったんだ?」という疑問が5個とか6個とか思い付く。
キャスティングもいいし、設定も面白いし、映像も綺麗だったし、伏線さえしっかり回収してくれれば物語はもっとドラマティックになったと思うので、なんだか勿体無い映画だなーというのが正直な感想です。
あらすじ
「マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋」は、創業113年を誇り、商品のおもちゃ達は命を吹き込まれたように動き回っている夢のようなお店。従業員はオーナーのマゴリアムおじさん、23歳の雇われ支配人モリー、9歳のお手伝い少年エリックの3人。
ある日243歳を迎えたマゴリアムおじさんは突然引退を宣言し、モリーに跡を継がせると発言。この発言により、おもちゃ達が荒れてしまう…。
Wikipedia「マゴリアムおじさんの不思議なおもちゃ屋」より引用
ネタバレを含まず、あらすじに絡めた話だけをするとですね、まず「おもちゃ達は命を吹き込まれたように動き回っている」とありますが、これが精神世界の話なのか現実世界の話なのかが曖昧なまま物語が進みます。
要するに、おもちゃが意思を持って動いてると “思って” 子供達は遊んでいるとも取れるし、魔法的な力でおもちゃ達が本当に意思を持って動いてるとも取れるのです。
前者であるならば、その見せ方はサンタクロースみたいなものであり、大人に対する「子供の頃の無邪気さを思い出そう」だとか「信じる心を大事にしよう」だとか、そういうメッセージ性が物語りに生まれそうです。
後者であるならば、この物語は純粋なファンタジーということになりますので、それ以上でも以下でもない。
その辺りが曖昧なので、ちょっと感情移入しづらかったです。
オーナーのマゴリアムおじさんは243歳ということですが、これも、そういう設定でおもちゃ屋をやってるユニークなおじさんなのか、実際に243年生きた魔法使い的なおじさんなのかがわからない。
物語が進むと「あ、本当だったんだ」ということがわかるのですが、おもちゃ屋の外の世界がただただひたすらに現代社会なので、少し戸惑います。
あくまでもイメージですけれど、中世ヨーロッパ的な世界観だったらもっと馴染んだような気がします。
マゴリアムおじさんの「突然引退」というのも、明確な理由はありませんでした。
ただ「十分やった」みたいな漠然としたことしか話しません。
243っていう数字に何か意味はあるのだろうか?
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それ以外にも、モリーの悩みの種になっているピアノの問題も解決されなかったし、エリックの帽子のくだりも特に意味はなく、会計士とチェッカーもしない。
キューブの役割もよくわからなかったし、結末も正直何が起きたのかよくわからなかったです。
あれは夢?現実?
魔法にかけられたのは僕の方?
うーん
なんだか
書いてたらモヤモヤしてきた......!
ただ純粋につまらないだけの映画だったら逆にモヤモヤってないと思うんだけれど、素材がいいだけに、やっぱり「勿体無い」っていう気持ちが強く働きます。
そんな気持ちを自分も味わってみたいという特異な方は、どうぞ観てみてはいかがでしょうか。
もちろんお話にモヤモヤしただけであり、先にも書いたとおり視覚的には良かったです。
俳優さん達もみんな良かったです。
ダスティン・ホフマンはやっぱり上手でしたし、ナタリー・ポートマンだってそれに負けてない。
無名の子役の子も不思議な魅力がありました。
興味があればぜひぜひ。
ノシ
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