筋肉マンとぼく(ケトプロテインに貰い手が付きました)
2020/05/21
残念ながらぼくには飲めなかったケトプロテインでしたが、貰い手が付きました。
もともと捨てっちまおうと思ってたんです。
「え!?そんな!?勿体無い!」
って思うでしょう、だって50杯分くらいあるのに、3回しか飲んでないからね(正確には飲んではない)。
しかも、7,000円したからね(爆)。
でもまあこれも、いつだかに書いたサンクコストなのである。
もう埋没してしまった7,000円なのだから、このケトプロテインをぼくが飲もうが飲まなかろうがその7,000円は返ってこない、だったら捨てても変わりはない、っていう考え方ですね。
無理に飲んで気分が悪くなるよりかは、このまま捨てた方が健全であろう、と。
でもふと気付いたのです。
「誰かにあげればいいんじゃないか?」
そんな当たり前のことを発想しなかったのは、ぼくの周りに筋肉的な友達がいないから、いや、そもそも友達が少ないからだったのですが(悲しい)、ふと急に一人思い付いたのでした。
その子を仮に、筋肉マンとしよう。
筋肉マンは小学生のときに転校してきた同級生。
筋肉マンには兄がおり、ぼくの兄とも同級生で、何かシンパシーを感じている筋肉マン。
筋肉マンの兄はテコンドー経験者で、オリンピックの選手に選ばれる?選ばれない?という話が出たほどの実力者でもあり、地元のテレビ局に取材された経験もある人でした。
その弟である筋肉マンは、兄とはおよそ似つかわしくない少し肉付きの良い体格をしており、アンパンマンと言われたりもしていましたが、ここでは筋肉マンで通してあげることにしよう。
そんな格闘家の兄を持つ筋肉マンは、小学生のときからやたらと格闘的な話題をしてきました。
確かに肉付きは良かったのだけれど、確かに格闘的な動きに精通していたのでした。
例えばこんな風に
キックするように片足を真横に上げたまま維持することができました。
これはぼくにはできなかったし、今もできないことです。
それを彼は太ましい体で小学生のときにぼくに自慢してきたのでした。
それがなんか悔しかったなー。
中学にあがると、筋肉マンはバスケットボール部に入りました。
ぼくもバスケットボール部でしたので、彼とは何かと縁がある。
しかし彼は格闘技とは違って、バスケットボールは合わなかったようで、あんまり上手にはなりませんでした。
顧問の先生に
「お前はセンスがないな」
と言われたこともあるそうです。
そんな筋肉マンは、高校にあがると空手部に入ったそうです。
その活躍のほどをぼくは見てはいませんが、後に語ってくれたのでした。
なんかよくわからんけど、全国大会にも出たのかな?
忘れちゃった、今度また確認してみよう。
そんな、やっぱりバスケットより格闘技だったんじゃないか!という筋肉マンのことを、どういうわけかぼくはすっかり忘れていたのでした。
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しかしながら、もう社会人。
流石にもう格闘技なんてやってないだろうし、まさかプロテインなんて飲んではいないだろうけども、でもぼくの知り合いの中では一番プロテインを飲んでいる可能性があるのが筋肉マンだったので、約1年ぶりに連絡してみたのです。
ところ、
「飲んでるよ!」
というではありませんか。
しかも彼の住まいはぼくの住まいから車で5分と掛からない。
だから、連絡を取ったその日のうちに渡しに行きました。
「久しぶりー」
という挨拶も一言で終わらせて、いつもどおりのぼく達である。
今回、ぼくはこんな風に説明しました。
- 「不味かったら返却してくれて構わない」
- 「お代はもちろんいらない、もらってやってくれ」
です。
まずにおいを嗅いでもらったところ、
「これマジ?」
と言われました。
「だよね!?」
とぼくも思わず同調しました。
なんというか、そう、原始時代のにおいがするんだなー。
ところが彼は、粉末を少し手に取りペロッと舐めると
「んーでも……うん……味は悪くないね」
と言う。
「飲めそう!うん、もらうよ」
と。
おぉ!さすが筋肉マン!原始的ー!(テキトー)
そうしてもらってもらう流れになったのでした。
しかも彼は
「少しお金払う?」
と気を利かせてくれました。
でもぼくは「いらない」と言いました。
一度は捨てようと思ったこのプロテインをもらって飲んでくれる、その事実だけで十分有り難いと思っていたからです。
でもなんだかコミュニケーションとしては少し味気ないかなーと思ったので、
「今度改めて遊ぼう!で、そのとき何かおごってくれればいいよ」
と言いました。
それでよい。
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という今回の一連の流れで思ったことは、何事も効率的、論理的、理屈だけで考えてはいけないなーということと、きっかけさえあれば旧友なんてすぐ連絡取れるし会うこともできるんだということ。
ほとんどの人が、大人になると職に就いて、家族を構え、自由度がどんどんなくなり、相手のことも気遣っちゃったりして、あんまり連絡を取らなくなってしまう傾向にあると思います。
でもこんなに簡単なんだなーということを実感したのでした。
ぼくはすぐハニーを迎えに行かなければなりませんでしたから、筋肉マンと話したのはほんの5分程度だったけれど、それでも十分な出来事でした。
今度遊ぼう!っていう話にもなったし、そういった意味でもケトプロテインという存在は、ぼくの人生に少しの変化を見せてくれたと考えれば、7,000円は決して高くはなかったと思えます。
いや、ちょっと高いかな。
でも全然気にしてないっす。
いや本当に。
完